About the Movie

三十歳を前にして、商社を辞め、自らの思想を世に問いたいと思って作家になった。
作家人生は成功し、出版社を立ち上げ、十年が経った…
世間では、異例のベストセラー作家だと思われている。
しかし、私には、まだ世間にはあまり知られていない秘密がある。
私は…この世ならざる存在を感じ、その真実を知っている。

Introduction

もし明日、命が終わるとしたら、
今あなたにできることは何ですか。

突然、死の宣告をされた私は、
どんな気持ちで絶望の淵から這い上がり、
“復活”を遂げたのか。

仕事の重圧、家族とのすれ違い、そして病気――ほとんどの人が乗り越えられない「中年期の絶望」。その苦しみから蟻のような微力で這い出し、自らの使命にめざめ、世界の人びとのために命を懸ける“本当のヒーロー”の姿を見事に描き切った本作。
主人公・御祖真(みおやまこと)には映画主演に初挑戦した竹内久顕。その妻・磯子役にさとう珠緒、真を尊敬し陰ながら支える秘書・沙織役に千眼美子が共演。そして田村亮、芦川よしみ、石橋保などの実力派俳優たちが奥深い物語に説得力を与える。監督はベテランの赤羽博。
病気に苦しむ人、挫折の中にある人、そして家族問題に悩む人びとを励まし、「人生の意味」や「本当の愛」とは何かを問いかける不思議な感動に満ちた傑作が誕生した。

Story

ベストセラー作家であり、自ら出版社を経営している御祖 真。妻や3人の子供にも恵まれ充実した日々を過ごしていた彼には、誰にも言えない“秘密”があった。
そんなある日、帰宅途中に胸の苦しみを感じた真は、外の空気を吸うために送迎車から降り、庭園を散歩する。そこでは結婚式が行われていた。娘の将来の花嫁姿を思い浮かべた矢先、激しい心臓発作に襲われその場に倒れてしまう。意識を失いかけた真の手には、トルストイ著『復活』が握られていた。緊急搬送された病院で医師から告げられたのは、無常にも“死の宣告”だった。

世界から希望が消えたなら。

Cast

竹内久顕

竹内久顕

Hisaaki Takeuchi

[御祖 真]

エリート商社マンとして海外でも活躍していたが、30歳で独立。現在は、ベストセラー作家であり、自ら出版社を経営している。

Comment

心不全と肺水腫──。御祖真に下された医師の判決は、死の宣告でした。病、仕事でのトラブル、家族の危機といった中年期の絶望は、ほとんどの人が乗り越えられないものです。御祖真の生きざまは、そういった挫折の中にある人にとって、一条の希望を見出すきっかけになると思います。映画初主演ではありましたが、命懸けで役と向かい合い、演じさせていただきました。御祖真のように、人生の奇跡を体験される方が、数多く現れることを願っています。この映画が、みなさんにとって、「ルルドの泉」となりますように。

千眼美子

千眼美子

Yoshiko Sengen

[藤坂 沙織]

黄金出版の社員で、真の秘書。入社する前から真の著作のファン。

さとう珠緒

さとう珠緒

Tamao Sato

[御祖 磯子]

真の妻であり、3人の子供の母親。黄金出版の専務取締役。

芦川よしみ

芦川よしみ

Yoshimi Ashikawa

[御祖 みき]

真の母親。家族のことを温かく見守り、支えてくれる。元理容師。

石橋保

石橋保

Tamotsu Ishibashi

[御祖 正]

真の父親。子供たちが幼い頃から宗教書や哲学書等を読み聞かせていた。

木下渓

木下渓

Kei Kinoshita

[御祖 玉美]

真の長女。しっかり者で、心優しい中学2年生。

田村亮

田村亮

Ryo Tamura

[桃山医師]

大浦龍宇一

大浦龍宇一

Ryuichi Oura

[虎川医師]

河相我聞

河相我聞

Gamon Kawai

小倉一郎

小倉一郎

Ichiro Ogura

Staff

赤羽博 [監督]

Hiroshi Akabane

Profile

マドリード国際映画祭 受賞トロフィー

1975年、専修大学法学部法律学科卒業後、フリーのテレビドラマの助監督となり、1985年には木下プロダクション(現ドリマックス・テレビジョン)に入社。TBS系連続ドラマ「毎度おさわがせします」で演出家としてデビュー。1988年、木下プロを退社し、当時所属していたプロデューサーの阿部祐三、ドラマディレクターの楠田泰之と共に、アベクカンパニーの設立に参画。以後、田原俊彦・野村宏伸主演の「教師びんびん物語」、反町隆史・松嶋菜々子主演の「GTO」を演出し、ヒットさせた。本作ではマドリード国際映画祭2019 外国語映画部門 最優秀監督賞、ザ・サウス映画芸術祭2019 8月度 長編部門 名誉監督賞を受賞。

Comment

そう簡単にはないストーリーなので、かえって非現実でありえなくみえるが、実はそのただ一つのケースが、普遍性のある現在のヒーロー物語となっている。絶望の淵から『公』の意識に目覚め、自分の使命のため今の栄光も捨て、愛する者たちとも別れ『死』をも乗り越えて行く姿を通して、現代社会に生きる人々に愛と感動を与える物語となれば幸いです。

水澤有一 [音楽]

Yuichi Mizusawa

Profile

ザ・サウス映画芸術祭 受賞証書

1960年新潟県生まれ。音楽理論を独学で習得し、シンセサイザーの多重録音を研究。映画「神秘の法」、「UFO学園の秘密」、「宇宙の法-黎明編-」、「NHKスペシャル『始皇帝』」、「ハウステンボス」等、数々の映画、CM、イベントの音楽を手がける。世界進出を機にアーティスト名を「M.I.Z.」に改名。その心を癒すメロディーは世界100ヵ国以上で聴かれ、高い評価を得ている。本作では、ザ・サウス映画芸術祭(チリ)2019 8月度 長編部門 名誉オリジナル楽曲賞を受賞。